境界標がないと、自分の土地とお隣の土地の境が見た目ではっきりしません。
万が一、境界標がないとトラブルの原因にもなります。
この記事では、境界標の管理方法を知り、困った時の対策をお伝えします。
境界標でお困りの際は、お近くの土地家屋調査士にお尋ねください。
境界標とは
境界標は、お隣との土地の境を現地で示すしるしです。
境界標についての基本的なことを確認してみましょう。
境界標の種類
コンクリート杭
一般的に永続性のある境界標として最も多く使用されています。
+(プラス)のしるしの場合は、交差する点が境界点となります。
プラスチック杭
加工が簡単なため、様々な形状のものがあります。軽くて安易に設置することができますが、コンクリート杭や石杭のような永続性はありません。
矢印の先端が境界点となります。
金属標
真鍮(しんちゅう)、ステンレス又はアルミ等でできたプレート状の標識でアンカーピンを設置することで堅牢に設置することができます。
矢印の先端が境界点となります。
金属鋲
金属製の境界標でコンクリートやブロックの側壁などにドリルで穴をあけ、金属鋲を打ち込み固定します。
しるしの交差する点が境界点となります。
刻み
境界標の設置ができない場合に、カッターなどで刻みを入れます。
写真の場合はポールの部分が境界点となります。
その他の境界標として、石杭や木杭があります。
境界標のメリット
境界標にはこの5つのメリットがあります。
境界標がないとトラブルになるケースがあります。
トラブル事例
境界標がなくて起こるトラブル事例(お隣が作ったブロックが越境している)
お隣との境に境界標があるかどうかもわからないままいたところ、お隣さんが外構工事でブロック塀を設置した。
思っていたよりもこちら側にブロックが設置されたので土地家屋調査士にお願いして測量してみると、ブロック塀が越境していることが判明した。
お隣さんはブロック塀は正しく設置していると言い張り、測量の成果を伝え改善を申し入れても対応してもらえない。
境界標がなくて起こるトラブル事例(相続した土地の境がわからない)
父から相続した土地を売却することになった。
境界標がなかったので測量して境界標を設置する必要があり、隣地と立会い確認した。
父から聞いていた境界部分とお隣さんの主張する境界が一致しない。
立会が完了せず境界標も設置できないため、土地を売却できずに困っている。
境界標の管理
境界標の確認
土地の境にある境界標の有無を確認してみましょう。
境界標がある場所は、敷地の角だけではありません。
直線に見えても折れ点があったり、1つの土地でも複数の筆にわかれていている場合もあります。
公図や測量図があると、土地の形がわかります。
境界標がある場合、土地のどの部分の境界標がどんな種類の境界標であるか確認します。
測量図がある場合は、境界標の種類の記載があります。
メモをとったり、写真を取ったりしてしっかりと保管しておきましょう。
測量図の確認
法務局には土地の地積測量図があります。
土地家屋調査士が現地を確認して作成している図面なので、土地の形や面積、境界標の種類が記載されています。
現地で境界標がなくなっている場合は、地積測量図を使って境界標を復元します。
登記の確認
境界標の管理として、土地の登記も確認してみましょう。
土地の登記簿には、地番、地目、面積、所有者、所有権以外の権利が記載されています。
法務局で謄本を誰でも取得できます。
土地の所有者や測量図との面積、現況と地目があっているでしょうか?
一致していない場合は、登記申請をして現況と合わせておくことが大切です。
境界標で困った時
境界標は勝手に撤去したり、移動したりすると罰則があります。
(境界損壊)
刑法 262条の2(境界破壊)
第二百六十二条の二 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
境界標がない場合
道路工事や車で踏まれて境界標がなくなってしまうことがあります。
壊れてしまい境界標のしるしがわからなくなってしまったら、復元することをおすすめします。
農地など地面が柔らかい場合や、造成した土地の場合は、境界標が埋まっていることがあります。
資料から判断してある程度の位置が特定できる場合は、地面を掘ってみると良いです。
境界標がずれている場合
お持ちの資料から、明らかに境界標がずれている場合は再設置することをおすすめします。
ずれている場合は自分で直してはいけません。
刑法262条の2に抵触する場合があるからです。
誰に頼んだら良いかわからない場合
公図や測量図があれば、復元する参考資料となります。
役所にも、測量の記録や立会いの記録が残っていることもあります。
境界標の設置は、土地家屋調査士の仕事です。
土地家屋調査士は、測量することで正確に境界標を復元することができます。
関係資料の収集や現地の状況など様々な情報を参考にして、公正中立な立場で業務を行います。
設置した境界標はしっかり管理しよう
メリットにもあるとおり、相続や売買では境界標があれば迅速に進めることができます。
境界標がないと相続や売買でできないこともあります。
境界標がないとトラブルの原因になるので、しっかりと管理をしましょう。
もし土地の境界標がない場合は、すぐに土地家屋調査士に相談してください。
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